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この章では,必要なハードウェアとソフトウェア,および日本語Advanced Server for OpenVMS ソフトウェアをインストールする前に完了すべき手順を説明します。
この章は,次の節から構成されます。
日本語Advanced Server for OpenVMSキットには, 次のサーバ・ソフトウェアを実行するのに必要なソフトウェアが入っています。
日本語Advanced Server for OpenVMS製品は,OpenVMS Alpha 上でのみサポートされます。日本語Advanced Server for OpenVMSソフトウェアをOpenVMS VAXシステムにインストールすることはできません。VAXシステム上では, 現在のサーバ・ソフトウェアを引き続き使用しなければなりません。
Advanced Server for OpenVMSソフトウェアは,OpenVMS V7.2システム上でのみ稼動します。 したがって,サーバ・ソフトウェアとともにオペレーティング・ システムもアップグレードする必要がある場合があります。
日本語Advanced Server for OpenVMSソフトウェアは,PATHWORKS V6 for OpenVMS (Advanced Server)がインストールされているシステムにインストールすることができます。 構成プロシージャ(PWRK$CONFIG.COM) が,サーバ・コンポーネントとパラメータを自動的にアップグレードします。 システムがPATHWORKS V6.0B for OpenVMS (Advanced Server) より前のバージョンのサーバを実行している場合,日本語Advanced Server for OpenVMS をインストールする前に, オペレーティング・システムをOpenVMSバージョン7.2にアップグレードしてから, サーバをV6.0Bにアップグレードする必要があります。V6.0B にアップグレードする前に,『Server Migration Guide』を参照して必ずサーバの移行作業を行ってください。
OpenVMSバージョン6.2システム上でPATHWORKS V5 for OpenVMS(LAN Manager)ファイル・サーバを実行するシステムについては,できるだけ次の移行パスに従ってください。
各バージョンのPATHWORKS for OpenVMSおよび日本語Advanced Server for OpenVMS がサポートするOpenVMS のバージョンについては,適切な『ソフトウェア仕様書(SPD)』を参照してください。
Advanced Serverは,サーバの構成パラメータのためのレジストリとして,OpenVMS レジストリに依存します。旧バージョンのサーバ・ ソフトウェア(たとえば,PATHWORKS for OpenVMSサーバ) では,サーバ・パラメータを格納するのにLANMAN.INIファイルが使用されています。Advanced Server は,パラメータをWindows NT レジストリに似たOpenVMSレジストリに格納します。
システムをPATHWORKS V6 for OpenVMS (Advanced Server)からAdvanced Server V7.2 for OpenVMSにアップグレードする場合, 既存のLANMAN.INIファイルにあるパラメータと設定は,PWRK$CONFIG.COM 初期構成プロシージャを実行したときにレジストリ・ パラメータに移行されます。詳細については,「第3.2節, LANMAN.INI パラメータのOpenVMSレジストリへの移行 」を参照してください。
Advanced Serverは,他のクラスタ・メンバがPATHWORKS for OpenVMS を実行していない限り,OpenVMS Alphaバージョン7.2 を実行するどのOpenVMSクラスタ・メンバの上にもインストールすることができます。Advanced Server をクラスタ・ メンバ・ノードにインストールする場合,同じクラスタの他のノードでPATHWORKS V6 for OpenVMS (Advanced Server) またはPATHWORKS V5 for OpenVMS (LANマネージャ)を実行することはできません。
Advanced Serverは,OpenVMS Alpha システム上でのみ稼動します。Advanced Serverを混合アーキテクチャ・クラスタ(AlphaとVAXメンバの両方があるクラスタ) にインストールする場合,VAXメンバ上でPATHWORKS for OpenVMSを実行することはできません。ただし,「第5.6節,外部認証のセットアップ」に説明するように,VAX ノードに外部認証を設定することにより, クラスタのすべてのノードで外部認証をサポートすることができます。
DECprint Supervisor for OpenVMSは,PostScriptプリンタ用のキュー管理と印刷機能を提供する印刷システムです。
DECprint Supervisor for OpenVMSを使用しようとする場合,できるだけAdvanced Server をインストールする前にそれをインストールしてください。DECprint ソフトウェアをインストールした後, システムを再起動しなければなりません。起動は,DECprint Supervisorのインストレーション・プロシージャの一部として行うことも,Advanced Server をインストールした後, それを構成する前に行うこともできます。
次の節では,Advanced Serverのライセンシング・ ソフトウェアとライセンスの必要条件について説明します。
Advanced Serverは,ファイル・サービスおよびプリント・ サービスにアクセスするクライアントが適切にライセンスされていることを要します。 この必要条件に準拠するには,次のいずれかに該当しなければなりません。
いずれの場合も,Advanced Serverのサービスへのアクセスに必要なライセンスは,PWLMXXXCA07.02 というクライアント・ アクセス・ライセンスです。
PATHWORKS V6 for OpenVMS (Advanced Server)からアップグレードする場合,クライアント・ライセンスの必要条件についての詳細については, 『Advanced Server for OpenVMS Guide to Managing Advanced Server Licenses』を参照してください。
Advanced Serverライセンス・サーバは,OpenVMSシステム上で実行して, クライアントにライセンスを付与するオプションのソフトウェア・プログラムです。
ライセンス・サーバは,次のようにインストールできます。
いずれの場合も,ライセンス・サーバが次のプロトコルのどれを使ってクライアントをサポートするようにも構成することができます。
Advanced Serverのない指定されたOpenVMS システム上にライセンス・サーバをインストールすることを推奨します。 したがって,日本語Advanced Server for OpenVMSキットにより,ファイル・サーバとは別にスタンドアロン・ ライセンス・サーバをインストールすることができます。また,この代わりに,Advanced Server のあるOpenVMSクラスタ上でライセンス・ サーバを実行すれば,クラスタ・フェイルオーバにより信頼性が向上します。
LANはそれぞれ,アクティブ・ライセンス・サーバを1つだけ必要とします。 ライセンス・サーバを実行するシステムにライセンスのProduct Authorization Key (PAK)をロードする必要があります。OpenVMSクラスタでは,PAK を共有ライセンス・データベースにロードしなければなりません。
必要な情報 | 参照するマニュアル |
---|---|
ライセンスのロード | 『OpenVMS License Management Utility Manual』 |
ライセンス・サーバの構成 | 「第4章,スタンドアロン・ライセンス・サーバの構成と起動」 |
ライセンスの管理 | 『Advanced Server for OpenVMS Guide to Managing Advanced Server Licenses』 |
外部認証は,OpenVMSシステムのオプション機能で,これにより,システム管理者はOpenVMS セキュリティ以外のセキュリティ・メカニズムに基づくログイン認証に応じてユーザ・ アカウントを設定できるようになります。
Advanced Serverは,Advanced ServerまたはWindows NT互換のユーザ認証メカニズムを使用してOpenVMS ユーザ・ログインを認証する能力を提供することにより, この機能を利用します。これにより,ユーザはOpenVMSログイン・ プロンプトでAdvanced Serverのユーザ名とパスワードを使用してログインすることができ, また,ユーザ・アカウントに自動的にパスワードが同期化されます。COM for OpenVMS 製品を使用している場合, 外部認証が必要な場合があります。
Advanced Serverのインストール時に,外部認証をサポートするために必要なファイルが自動的にインストレーション・ プロセスに含まれます。
Advanced ServerをOpenVMSクラスタにインストールし,Advanced Server がインストールされていないOpenVMS クラスタ・メンバ・ノードで外部認証を有効にしようとする場合, 外部認証ソフトウェアのみをインストールすることができます。
外部認証の有効化についての詳細は,「第5.6節,外部認証のセットアップ 」を参照してください。
次の節では,製品のリリース・ノートおよび日本語Advanced Server for OpenVMS をインストールする前にそれをソフトウェア・ キットから抽出する方法について説明します。
インストレーションを開始する前に,リリース・ノートを印刷して確認してください。
インストレーション・プロシージャにより,リリース・ノートがSYS$HELP: エリアにコピーされるので,サーバのインストレーション後はそこから利用することができます。
$ MOUNT device: FPS $ BACKUP/SELECT=ASOVMSJA072.RELEASE_NOTES device:ASOVMSJA072.A/SAVE_SET * $ PRINT ASOVMSJA072.RELEASE_NOTES
$ @VMSINSTAL ASOVMSJA072 device_name: OPTIONS N
インストレーション・プロシージャがリリース・ノートを印刷するか, それとも表示するかを尋ねます。いずれの場合もリリース・ノートは常にSYS$HELP: エリアにコピーされます。
「付録 A,インストレーションおよびアップグレードのチェックリスト 」には,インストレーション/構成チェックリストが用意されています。 このチェックリストを複写し,本書で説明するインストレーションと構成手順の完了を追跡するために使用することができます。
次の節では,日本語Advanced Server for OpenVMSソフトウェアのインストール時に必要なハードウェアおよびソフトウェアについて説明します。
サーバがサポートするハードウェアの一覧については,『ソフトウェア仕様書(SPD) 』を参照してください。
日本語Advanced Server for OpenVMSソフトウェアを正常にインストールするには, システムに次のソフトウェアを正しくインストールし, 構成しなければなりません。
Advanced ServerはOpenVMS Alpha V7.2 システム上でのみ稼動し,オプションのOpenVMSレジストリ・サービスを必要とします。OpenVMS レジストリについての詳細は,『OpenVMSシステム管理者マニュアル』を参照してください。
DECnetまたはDECnet-Plusは,OpenVMSオペレーティング・システムのインストール時にオプションとしてインストールすることができます。
TCP/IP Services for OpenVMSまたはサポートされるサードパーティのTCP/IP 製品を使用してIPをサポートすることができます。 サポートされるTCP/IP製品の一覧については,日本語Advanced Server for OpenVMS の『ソフトウェア仕様書(SPD) 』を参照してください。
日本語Advanced Server for OpenVMSは, 次のタイプのクライアントからの接続をサポートします。
OpenVMS Alphaシステム上でAdvanced Serverを実行するためには、最低限64 MBの物理メモリが必要です。
表 1-1にあるチェックリストを使用して, この節で説明するインストレーション前の手順を完了します。
[ ] | 1. | パーツ一覧を確認します。 |
[ ] | 2. | ネットワーク・ハードウェアがインストールされ, 接続されていることを確認します。 |
[ ] | 3. | 必要なソフトウェアがインストールされていることを確認します。 |
[ ] | 4. | OpenVMSレジストリ・サーバを起動します。 |
[ ] | 5. | SYSTEMアカウントにログインします。 |
[ ] | 6. | システム・ディスクをバックアップします。 |
[ ] | 7. | リリース・ノートを確認します。 |
[ ] | 8. | インストレーションのために十分なディスク容量があることを確認します。 |
[ ] | 9. | システム・パラメータを確認します。 |
[ ] | 10. | キュー・マネージャを確認します。 |
[ ] | 11. | タイム・ゾーンの構成を確認します。 |
[ ] | 12. | DECnetトランスポートを使用しようとする場合は, DECnetまたはDECnet-Plusが稼動していることを確認します。 DECnetが必要な状況については, 「第1.8.12項,ステップ12: DECnetの状態の確認」を参照してください。 |
[ ] | 13. | TCP/IPトランスポートを使用しようとする場合は, TCP/IPが稼動していることを確認します。 |
[ ] | 14. | クラスタ上にAdvanced Serverをインストールする場合は, OpenVMSクラスタ構成を確認します。 |
日本語Advanced Server for OpenVMSソフトウェアをインストールする前に, 次の手順を行います。
ソフトウェアのパーツ一覧は,入手したキットの内容の明細です。キットの内容をこの情報に照らして確認します。 パーツが不足していたり,破損している場合は, 弊社の担当者にご連絡ください。
日本語Advanced Server for OpenVMSは, ソフトウェアの必要条件を満足するOpenVMS Alphaシステム上で稼動します。PC ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)には次のものが必要です。
日本語Advanced Server for OpenVMSソフトウェアには, 次のものが必要です。
OpenVMSレジストリは,OpenVMSバージョン7.2のインストレーションの一部としてインストールされます。 レジストリ・サービスを提供するには, 次の手順を行います。
たとえば,レジストリ・ファイルをディレクトリ[SYS$REGISTRY]のデバイスDKA100: に格納するには,次のコマンドを入力します。
$ DEFINE/SYSTEM/EXECUTIVE SYS$REGISTRY DKA100:[SYS$REGISTRY]
OpenVMSクラスタでは,必ずAdvanced Serverを実行するすべてのクラスタ・メンバが利用可能なディスクおよびディレクトリを指定します。
レジストリサーバを手動で起動しなければならない場合は,次のコマンドを入力します。
$ @SYS$STARTUP:REG$STARTUP.COM
できるだけAdvanced Serverを起動するコマンド行の前のSYS$STARTUP_VMS.COM プロシージャにこのコマンドを追加してください。 これにより,スタートアップとともにレジストリ・サーバが起動され, レジストリを必要とするあらゆるAdvanced Serverユーティリティ(PWRK$REGUTL や構成マネージャ)が正しく操作されることが保証されます。
OpenVMSレジストリの管理についての詳細は,『OpenVMSシステム管理者マニュアル』を参照してください。
日本語Advanced Server for OpenVMSソフトウェアをインストールする前に,SYSTEM アカウント,すなわちインストレーション・ プロシージャを実行するために十分な特権を持つアカウントにログインします。
SYSTEMアカウントにログインするには,次の手順を行います。
Username: SYSTEM
貴重なデータの損失を防ぐため,レイヤード・プロダクトをインストールする前に, できるだけシステム上のすべてのディスクをバックアップしてください。
システム・バックアップを行うには,OpenVMS BACKUPコマンドを使用します。BACKUP コマンドについての詳細は,『OpenVMSシステム管理ユーティリティ・リファレンス・ マニュアル』を参照してください。
リリース・ノートをまだ読んでいない場合,ソフトウェアをインストールする前に読む必要があります。 詳細については,「第1.5節,リリース・ ノートの確認」を参照してください。
インストレーション・プロシージャには,システム・ディスク上に最低139,500 ブロックの空き容量が必要です。
システム・ディスク上の空きブロック数を確認するには,次のコマンドを入力します。
$ SHOW DEVICE SYS$SYSDEVICE
OpenVMSシステムが,空きブロック数など,システム・ディスクについての情報を表示します。 次に例を示します。
Device Device Error Volume Free Trans Mnt Name Status Count Label Blocks Count Cnt DUA0: Mounted 0 AXP072 724856 280 1
次のOpenVMSシステム・パラメータが正しく設定されていることを確認します。
GBLPAGESパラメータの最低値は,少なくとも7500ページでなければなりません。
システムに十分な未使用グローバル・ページがあることを確認するには, 次の手順を行います。
$ WRITE SYS$OUTPUT F$GETSYI("FREE_GBLPAGES")
GBLPAGESパラメータの値が表示されます。次に例を示します。
7500
ADD_GBLPAGES = 7500
Advanced Serverをインストールする場合,GBLSECTIONS パラメータの最低値は75です。
スタンドアロン・ライセンス・サーバのみをインストールする場合,最低値は50 です。
システムに十分な未使用グローバル・セクションがあることを確認するには, 次の手順を行います。
$ WRITE SYS$OUTPUT F$GETSYI("FREE_GBLSECTS")
GBLSECTIONSパラメータの値が表示されます。次に例を示します。
75
ADD_GBLSECTIONS = 75
Advanced Serverをインストールする場合,PROCSECTCNT パラメータの最低値は40です。
スタンドアロン・ライセンス・サーバのみをインストールする場合,最低値は32 です。
システム・パラメータPROCSECTCNTの値が十分であることを確認するには, 次の手順を行います。
$ WRITE SYS$OUTPUT F$GETSYI("PROCSECTCNT")
PROCSECTCNTパラメータの値が表示されます。次に例を示します。
40
MIN_PROCSECTCNT = 40
SCSNODEパラメータは,システムのコンピュータ名に定義します。DECnet を実行している場合,SCSNODE名は,DECnetノード名と同じでなければなりません。
次に示すように,SCSNODEパラメータのインストール前の状態は,インストレーション後の動作に影響します。
SCSNODEの状態 | 定義の有無 | サーバの動作 |
---|---|---|
未定義 | 定義せず | 起動せず。 |
定義済み | 定義せず | 起動する。 |
未定義 | 定義する | 起動するが,OpenVMSシステムは, プリント・キューおよびバッチ・キューの名前に新しいコンピュータ名が含まれるように名前を変更する。 キュー・データベースの再構築が必要になることもある。 これらのシステム管理作業についての詳細は,『OpenVMSシステム管理者マニュアル』を参照。 |
システム・パラメータSCSNODEがシステムのコンピュータ名に定義されていることを確認するには, システム・プロンプトで次のコマンドを入力します。
$ SCSNODE = F$GETSYI("SCSNODE") $ SHOW SYMBOL SCSNODE
この結果,次のいずれかの状態になります。
$ SHOW SYMBOL SCSNODE SPEEDY
SCSNODEが定義されていない場合,SYS$SYSTEM:MODPARAMS.DATを編集して, このパラメータを定義します。たとえば,コンピュータ名がSPEEDYの場合, 次の行が含まれるようにファイルを編集します。
SCSNODE = "SPEEDY"
ファイルSYS$SYSTEM:MODPARAMS.DATを編集する場合,OpenVMSのコマンド・ プロシージャであるAUTOGENを実行し,すぐに,またはサーバを構成する前にシステムを再起動します。 次に例を示します。
$ @SYS$UPDATE:AUTOGEN GETDATA REBOOT NOFEEDBACK
AUTOGENユーティリティの使用についての詳細は,『OpenVMSシステム管理ユーティリティ・ リファレンス・ マニュアル』を参照してください。
インストレーション時にキュー・マネージャを実行する必要はありませんが, サーバーを構成するときには実行しなければなりません。SHOW QUEUE/MANAGERコマンドを入力して,キュー・マネージャが実行されているかどうかを確認することができます。
$ SHOW QUEUE/MANAGER
キュー・マネージャが実行されている場合,OpenVMSシステムは次のように表示します。
Queue manager SYS$QUEUE_MANAGER, running, on SPEEDY::
キュー・マネージャが実行されていない場合,次のコマンドを使用して起動することができます。
$ START/QUEUE/MANAGER
OpenVMS DCLコマンドについての詳細は,『OpenVMS DCL Dictionary』を参照してください。
Advanced Serverは,内部の時間管理にグリニッジ標準時(GMT) を使用します。ローカル環境で時刻を正確に表示するには, サーバを起動する前にタイム・ゾーン情報を設定する必要があります。
タイム・ゾーンと時差係数(TDF)の設定は,OpenVMSコマンド・プロシージャUTC$TIME_SETUP.COM を実行することにより確認することができます。 SYSTEMアカウントから,次のコマンドを入力して,このプロシージャを起動します。
$ @SYS$MANAGER:UTC$TIME_SETUP.COM
@ SYS$MANAGER:UTC$TIMEZONE_SETUP.COM
@ SYS$MANAGER:UTC$CONFIGURE_TDF.COM
夏時間のようなタイム・ゾーン情報を変更した場合,時刻を正確に表示するために, サーバを再起動しなければなりません。
コマンド・プロシージャの実行およびタイム・ゾーンとTDFのリセットについての詳細は, 『OpenVMSシステム管理者マニュアル』を参照してください。
DECnetトランスポートを使用しようとする場合,インストレーション時にDECnet またはDECnet-Plusを実行する必要があります。ただし,システムが構成できるようになるには, その前にDECnetまたはDECnet-Plusをそのシステム上で実行しなければなりません。
サーバ・ソフトウェアをインストールしようとするシステム上でDECnetが実行されているかを確認するには, 次の節で説明するように,DECnet(フェーズIV) かDECnet-Plusのいずれがインストールされているかによって適切なコマンドを入力します。
DECnetの状態を確認するには,次のコマンドを入力します。
$ MCR NCP SHOW EXECUTOR
Node Volatile Summary as of 1-NOV-1998 12:16:36 Executor node = 9.000 (BRUTUS) State = on Identification = DECnet-VAX V7.2, VMS V7.2 Active links = 2
$ @SYS$MANAGER:STARTNET
DECnet-Plusの状態を確認するには,次のコマンドを入力します。
$ SHOW LOGICAL NET$STARTUP_STATUS
"NET$STARTUP_STATUS" = "RUNNING-ALL" (LNM$SYSTEM_TABLE)
$ @SYS$STARTUP:NET$STARTUP
詳細については,DECnet製品のドキュメントを参照してください。
TCP/IPトランスポートを使用しようとする場合,TCP/IPが実行され,PWIP ドライバがロードされていることを確認します。プロシージャは,どのTCP/IP 製品を使用しているかによって異なります。詳細については,インストールされているTCP/IP 製品のドキュメントを参照してください。
たとえば,日本語DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMS V5.0がインストールされている場合, 次のコマンドを入力することにより,PWIPドライバを手動で起動することができます。
$ @SYS$STARTUP:TCPIP$PWIP_STARTUP.COM
この代わりに,TCP/IPの起動時にPWIPドライバが自動的に起動するよう, 構成プロシージャTCPIP$CONFIG.COMを使用してTCP/IP Services for OpenVMSサービスを構成することができます。
Advanced Serverは,複数のOpenVMS Alpha クラスタ・メンバ上で実行することができます。これには,次の手順を行います。
複数のシステム・ディスクを使用するクラスタ構成では,OpenVMS レジストリ・サーバが共通レジストリ・データベースを使用するように構成しなければなりません。 詳細については,「第1.8.4項,ステップ4: OpenVMS レジストリ・サーバの起動 」を参照してください。
OpenVMSクラスタには,VAXとAlphaの両方のメンバを含めることができます。 日本語Advanced Server for OpenVMSソフトウェアはOpenVMS Alphaバージョン7.2メンバ上でのみ稼動します。OpenVMS クラスタは,Advanced Serverと同じクラスタにある旧バージョンのファイル・サーバをサポートすることができません。 したがって,この環境をサポートするには,Advanced Server をAlphaメンバ上で実行します。VAX メンバでは,ファイルおよびプリント・サーバを実行しないでください。
ただし,「第5.6節,外部認証のセットアップ」に説明するように, 外部認証を提供するために,できるだけ外部認証ソフトウェアをクラスタ内のすべてのノードにセットアップしてください。
Advanced Serverをインストールするには, 「第2章, Advanced Server for OpenVMSソフトウェアのインストレーション 」の手順に従います。