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2 日本語DECwindows Motif for OpenVMS のインストレーション

インストレーション時にエラーが発生した場合は,付録 C を参照してください。

2.1 インストレーション・プロシージャ

まだの場合は,CD-ROMメディアをCD-ROMドライブに挿入してください。

インストレーションを途中で強制終了する場合は,任意の時点でCtrl/Yを押してください。Ctrl/Y を押すと,その時点までに作成されたすべてのファイルが削除された後,DCL レベルに戻ります。Ctrl/Yを押した後にインストレーションを再度実行する場合は, 手順2から開始してください。

インストレーション・プロシージャ実行時にシステムからの問い合わせがある場合は, 通常プロンプトの大括弧([])内に省略時の応答が表示されます。

次の手順に従って,日本語DECwindows Motif for OpenVMSをインストールします。

  1. 特権アカントにログインし,SYS$UPDATEに移動します。
          Username: SYSTEM
          Password:
    
         $ SET DEFAULT SYS$UPDATE
    

  2. VMSINSTALを起動します。
         @VMSINSTAL saveset-name saveset-location option-list
    

    VMSINSTALはSYS$UPDATEディレクトリにあります。VMSINSTALコマンドの形式は次のとおりです。

         VMSINSTAL saveset-name saveset-location option-list
    

    コマンド以下の要素は次のように定義されます。

    saveset-name
    インストレーション名です。

    日本語DECwindows Motif for OpenVMS Alphaでは,次のインストレーション名を使用します。

         DWMA_JA_JPU5A012
    
    saveset-location
    日本語DECwindows Motif for OpenVMSのセーブセットを含むディレクトリ(装置名を含む)を指定します。 次の例で使用される装置名はDKA400:です。

    製品が置かれているCD-ROMを確認するには,CD-ROMディストリビューション・ キットに添付されているマスター・インデックスを参照してください。

    saveset-locationを確認するには,次の手順に従ってください。

    1. CD-ROMをCD-ROMドライブに挿入します。

    2. 次のMOUNTコマンドを実行します。
           $ MOUNT/SYSTEM device volume-label
      

      ここで,deviceはCD-ROMドライブ名であり,volume- labelはディスク面に記述されている12文字のボリューム・ラベルです。

      次の例を参照してください。

           $ MOUNT/SYSTEM DKA400: AXPBINDEC960
      

      この例では,OpenVMS Alpha (AXP)ソフトウェア・ライブラリ (BIN) 1996年版(96)の#10 (0) CD-ROMをマウントしています。

    3. saveset-locationを確認するには,次のコマンドを入力します。
           $ DIRECTORY DKA400:[000000...]saveset-name.A
      

      次の例を参照してください。

           $ DIRECTORY DKA400:[000000...]DWMA_JA_JPU5A012.A
      

      しばらくすると,次のように表示されます。

           Directory DKA400:[DWMA_JA_JPU5A012.KIT]
      
           DWMA_JA_JPU5A012.A;1
      

    4. VMSINSTALコマンド行のsaveset-locationパラメータのディレクトリ指定には DKA400:[DWMA_JA_ JPU5A012.KIT])を使用してください。

    option-list
    option-listには,OPTIONSに続けて表 2-1 に示すA,G,L,N,Rのいずれか1つ,あるいは複数を指定します。

    表 2-1 インストレーション・オプション指定

    オプション 意味 説明
    A Auto_ answer 自動応答 VMSINSTALの問い合わせに対する応答を含むファイルを最初に作成します。 続いて,このオプション(および応答ファイル) を使用することにより,再インストレーション(通常, システムのアップグレード後)にかかる時間を節約することができます。
    G Get saveset G device:[directory] セーブセットのコピー キットのセーブセットを device:[directory]にコピーします。高速なシステム・ ストレージ装置を指定することにより,その装置からのインストレーションの速度を速くすることが可能です。 あるいは,グループで使用するディストリビューション・ リソースとすることもできます。
    L File Log ログ表示 インストレーション時のログを端末に表示します。
    N Display or Print the Release Notes リリース・ノートの表示あるいは印刷 インストレーション時に, リリース・ノートに関する問い合わせを表示するように指定します。N オプションを指定しない場合,VMSINSTALはリリース・ ノートに関する問い合わせを行いません。リリース・ノートに付加的な情報が含まれている場合は, インストレーションを進める前にその内容を確認しておく必要があります。
    インストレーションを再度実行していて, すでにリリース・ノートの内容を確認している場合は,N オプションを省略することができます(日本語DECwindows Motif for OpenVMSリリース・ ノートは,VMSINSTAL によりSYS$HELPディレクトリにコピーされ,利用可能です) 。
    R Alternate Root 代替ルート 稼動しているシステムのルートとは異なるルートに日本語DECwindows Motif for OpenVMSをインストールします。

    これらのソフトウェア・インストレーション・オプションについての詳細は, 『OpenVMSシステム管理者マニュアル』を参照してください。 複数のオプションを指定する場合は, 各オプションをカンマで区切ります。次の例を参照してください。

         OPTIONS A,N
    

    次は,VMSINSTALを起動して日本語DECwindows Motif for OpenVMS Alpha をインストールする場合のシステムの応答の例です。 この例では,OPTIONS Nを指定して,インストレーション時にリリース・ ノートにアクセスしています。

         $ @VMSINSTAL DWMA_JA_JPU5A012 DKA400:[DWMA_JA_JPU5A012.KIT] OPTIONS N
    
               OpenVMS AXP Software Product Installation Procedure V7.2
    
         It is dd-mmm-yyyy at hh:mm.
         Enter a question mark (?) at any time for help.
    

    製品名あるいは装置名のいずれかを指定しない場合,VMSINSTALは後でこの情報を問い合わせます。

    VMSINSTALを起動した場合,特権アカウントにログインしていることをチェックします。 システム管理者アカウントでログインし,省略時の装置およびディレクトリをSYS$UPDATE に設定しておくことを推奨します。

    続いて,VMSINSTALは別のユーザがシステムにログインしていないかどうかをチェックします。 ユーザがログインしている場合,VMSINSTALはインストレーションを継続するかどうかを問い合わせます。

         * Do you want to continue anyway [NO]?
    

    継続する場合は,YESと入力します。インストレーションを中止する場合は,Return キーを押します。

  3. システム・バックアップを確認します。
         * Are you satisfied with the backup of your system disk [YES]?
    

    システム・ディスクのバックアップを行っている場合は,Returnキーを押します。 そうでない場合は,NOを入力してインストレーションを中止します。 システム・ディスクのバックアップを行った後,インストレーションを再度実行することができます。

    VMSINSTALコマンド行で装置名を省略した場合,次の問い合わせが表示されます。

         * Where will the distribution volumes be mounted:
    

    このプロンプトが表示された場合は,日本語DECwindows Motif for OpenVMSキット(セーブセット) を含むsaveset-locationを入力します。たとえば,メディアがCD-ROM ドライブDKA400:に装着されたCD-ROMである場合,次の問い合わせに対してDKA400:[DWMA_JA_JPU5A012.KIT] と入力します。

    装置のタイプおよび措置がすでにマウントされているかどうかに応じて, 次のようなプロンプトが表示される場合があります。

         Please mount the first volume of the set on DKA400:.
         * Are you ready? YES
         %MOUNT-I-MOUNTED, DKA400:  mounted
    

    まだマウントしていない場合は,VMSINSTALLを起動した際に指定した装置にディストリビューション・ ボリュームを装着しなければなりません。 問い合わせの前の行に装置名が表示されます。続いて, VMSINSTALはインストレーションを継続してよいかどうかを問い合わせます。

    YESと応答して,すでに準備ができていることを通知すると, VMSINSTALは日本語DECwindows Motif for OpenVMSを含むメディアが指定された装置にすでにマウントされていて, インストレーションが開始されたことを示すメッセージを表示します。

    VMSINSTALLを起動した際に間違った装置名を指定して,インストレーションを再度実行する必要がある場合は,"Are you ready?" という問い合わせにNO と応答します。別の理由によりインストレーションを中断する場合は,Ctrl/Y を押します。

  4. インストールした製品を検証します。
         The following products will be processed:
    
           DWMA_JA_JPU5A V1.2
    
                 Beginning installation of DWMA_JA_JPU5A V1.2 at 12:14
    
         %VMSINSTAL-I-RESTORE, Restoring product saveset A...
    

    製品名およびバージョン番号が表示されます。最初のセーブセット(A) がSYS$UPDATEのサブディレクトリにリストアされます。

  5. リリース・ノートのオプションを選択します。
         Release Notes Options:
    
             1.  Display release notes
             2.  Print release notes
             3.  Both 1 and 2
             4.  Copy release notes to SYS$HELP
    
         * Select option [2]:
    

    VMSINSTALLを起動した際にオプションNを指定した場合,リリース・ノートの内容を確認するためのオプションの1 つを選択するための問い合わせがあります。 いずれのオプションを選択しても,リリース・ノートはSYS$HELP にコピーされます。

    オプション1を選択した場合,VMSINSTALは直ちにリリース・ノートをコンソール端末に表示します。Ctrl/C を押すことにより,任意の時点でその表示を停止することができます。

    オプション2を選択した場合,VMSINSTALは印刷するプリント・キュー名を問い合わせます。 使用するプリント・キュー名を指定するか, Returnキーを押して省略時のプリント装置にファイルを送信します。 次の例を参照してください。

         * Queue name [SYS$PRINT]: AA_LPSJAP
    

    オプション3を選択した場合,VMSINSTALは直ちにリリース・ノートをコンソール端末に表示し, 続いて印刷するプリント・キュー名を問い合わせます。

    オプション4を選択した場合,インストレーション・プロシージャはリリース・ ノートをSYS$HELPディレクトリにコピーし,インストレーションを継続するかどうかを問い合わせます。

    続いて,VMSINSTALは次のメッセージを表示します。

         %VMSINSTAL-I-RELMOVED, Product's release notes have been moved to SYS$HELP.
    
         *** Installing DECwindows Motif/Japanese for OpenVMS AXP V1.2-5A Software ***
          .
          . (ここに表示されるメッセージは省略しています。詳細はインストレーション例を
          .  参照してください。)
          .
    

  6. ライセンス登録についての問い合わせに応答します。

    日本語DECwindows Motif for OpenVMSはOpenVMSライセンス管理機能(LMF)を使用します。インストレーション・ プロシージャは,日本語DECwindows Motif for OpenVMS についてのライセンス情報を表示します。 各製品に対応したライセンスを登録したかどうかを問い合わせます。

           A registered and loaded product authorization key for
                 DW-MOTIF and DW-MOTIF-UI-JAPANESE
           is required to run any DECwindows Motif /Japanese for OpenVMS application.
           If you   answer NO to the next questions, the installation of DECwindows
           Motif for OpenVMS will be terminated.
    
                 Product:      DW-MOTIF-UI-JAPANESE
                 Producer:     DEC
                 Version:
                 Release Date:
    
    
         * Does this product have an authorization key registered and loaded?
    

    まだPAKを登録していない場合は,この問い合わせにNOと応答しなければなりません。 インストレーションを完了するには,PAKを登録する必要があります( 第A.1.1節を参照)。まだライセンスを登録していない場合は, インストレーションを中止し,PAKを登録しなければなりません。 続いて,インストレーションを再度実行してください。 すでにPAKを登録している場合は,YESと応答してインストレーションを継続します。

                 Product:      DW-MOTIF
                 Producer:     DEC
                 Version:
                 Release Date:
    
    
         * Does this product have an authorization key registered and loaded?
    

    PAKが正しく登録されている場合は,YESと応答します。そうでない場合はNO と応答して,インストレーションを中止します。

  7. オプション・キット構成要素に対する問い合わせに応答します。

    必須構成要素のインストレーション後,次のメッセージが表示されます。

           I18N components are installed
    

    続いて,オプション・キット構成要素をインストールするかどうかの問い合わせがあります。 各問い合わせの前に,特定の構成要素に必要なディスク・ スペースが通知されます。

         The free disk requirement for installing Japanese keymap is about 200 blocks
         * Do you need to install Japanese keymaps [Y]?
    

    日本語OpenVMSがインストールされている場合,すでに日本語キーマップはインストールされていますので, 上記の問い合わせに対して"No" と応答してください。

         The free disk requirement for installing 75DPI Japanese fonts is
         about 24000 blocks
         * Do you need to install 75dpi Japanese font [Y]?
    
         The free disk requirement for installing 100DPI Japanese fonts is
         about 19000 blocks
         * Do you need to install 100dpi Japanese font [Y]?
    
         This installation procedure provides support files for running your I18N
         DECwindows Motif OpenVMS VAX applications on OpenVMS AXP systems using the
         DECmigrate product. These files support applications developed for the
         OSF/Motif Release 1.1.3 toolkit.
         These files are not required to run I18N DECwindows Motif OpenVMS AXP
         applications. The free disk space requirement for these support files is
         approximately 21000 blocks.
    
         * Do you need to install I18N DECwindows Motif translated-image support [Y]?
    

    問い合わせの最後で,インストール・プロシージャは選択を表示して確認を問い合わせます。

                 The following parts of the kit will be installed.
    
                 Run-Time Libraries
                 CDA support
                 Applications
                 Programming support
                 Motif Examples
                 75dpi JAPANESE font
                 100dpi JAPANESE font
                 New Desktop support
    
         * Is this correct [Y]?
    

    最後問い合わせを繰り返す場合はNOと応答します。そうでない場合はReturn キーを押して処理を継続します。

    これがインストレーションの最後の問い合わせです。次のようなメッセージが表示されます。

                 No further questions will be asked.
    

    インストレーションの処理を継続します。

  8. 情報メッセージを確認します。

    この段階では,インストレーション・プロシージャは,インストレーションの進捗状況を通知する情報メッセージを表示します。 このメッセージの表示はここでは省略します。 詳細はインストレーション例を参照してください。

    この時点までにインストレーション・プロシージャが正常に動作している場合は,VMSINSTAL は新しいファイルあるいは修正されたファイルをそのターゲット・ ディレクトリに移動します。

         %VMSINSTAL-I-MOVEFILES, Files will now be moved to their target directories...
    

  9. インストレーション後の情報を確認します。

    ターゲット・ディレクトリへのファイルの移動後,インストレーション後の作業を一覧した部分が表示されます。

          PostInstall JP procedure
         The following fontlist is appended to decw$system_defaults:decw$mwm.dat:
    
         -*-Kmenu-Medium-R-Normal--*-120-*-*-P-*-JISX0201.1976-0=JISX0201.1976-0,\
         -*-Gothic-Medium-R-Normal--*-120-*-*-M-*-JISX0208.1983-1=JISX0208.1983-1,\
    
         -*-Gothic-Medium-R-Normal--*-120-*-*-M-*-JISX0208.1983-1=JISX0208-?
    
          lang logical has been defined as ja_JP.sdeckanji
          please edit sys$manager:decw$define_lang.com if you
          want to change the logical to another locale.
          Then run decw$define_lang again
    
         Rename _75REN files ...
         Rename _100REN files ...
         Rename _CDEREN files ...
    
         The Installation Verification Procedure (IVP) should be run after the
         installation has been completed and DECwindows Motif has been restarted.
         The IVP can be found in SYS$TEST:DECW$IVP_JA_JP.COM
    
         Installation of DECwindows Motif/Japanese for OpenVMS AXP V1.2-5A is now complete.
    
         If your system is already running DECwindows Motif, restart DECwindows
         Motif with the following DCL command:
                         $@SYS$MANAGER:DECW$STARTUP RESTART
    
         If your system is NOT already running DECwindows Motif, start DECwindows
         Motif with the following DCL command:
                         $@SYS$MANAGER:DECW$STARTUP
    

    DECwindowsのインストレーション前のシステム構成に応じてDECwindows を起動あるいは再起動する必要があることに注意してください。

  10. インストレーション・プロシージャを終了します。
            Installation of DWMA_JA_JPU5A V1.2 completed at hh:mm
    
             Adding history entry in VMI$ROOT:[SYSUPD]VMSINSTAL.HISTORY
    
             Creating installation data file: VMI$ROOT:[SYSUPD]DWMA_JA_JPU5A012.VMI_DATA
    
                 VMSINSTAL procedure done at 12:21
    

    VMSINSTALコマンド行に指定したパラメータに応じて,<tt>* Products:</tt> プロンプトあるいはDCLプリンプト<tt>($)</tt> が表示されます。<tt>* Products:</tt> が表示された場合は,Ctrl/Z を押すことによりDCLプロンプト($)に戻ることができます。

    VMSINSTALはインストレーション中にプロセス・シンボル・テーブル内のエントリを削除あるいは変更します。 このため,継続してインストレーション・ アカウント(SYSTEMなど)を使用する場合は,これらのシンボルを復元するために, 一度ログアウトしてから再度ログインし直す必要があります。


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